事業者の将来キャッシュフローや無形資産も担保権の対象とする「企業価値担保権」の創設を骨子とする「事業性融資の推進等に関する法律」が6月に成立、2年半以内の施行が予定されている。帝国データバンクは、この企業価値担保権について企業の意識調査をこのほど実施。新制度の認知度や活用意向はともに3割弱にとどまった。
企業価値担保権は、不動産担保や経営者保証によらない資金調達の新たな選択肢で、資産の乏しいスタートアップ企業や、経営者保証により事業承継や思い切った事業展開をちゅうちょしている事業者の資金調達を円滑にする効果が期待されている。
この企業価値担保権について認知状況を聞いたところ、「知らない(名前も聞いたことがない)」が56.5%。「名前は聞いたことがあるが、制度の内容は知らない」(22.4%)、「制度の内容を含めてある程度知っている」(5.3%)、「制度の内容を含めてよく知っている」(0.5%)を合わせた「知っている」が28.2%と3割弱となった。
金融機関から融資を受ける際に企業価値担保権を活用したいか尋ねたところ、「今後検討したい」(22.9%)、「活用したいと思う」(3.8%)を合わせた「活用意向あり」が26.7%。他方、「活用したいとは思わない」も26.7%と意見が分かれた。このほか「分からない」が46.6%と最も多くを占めた。
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