山陰にヒト・モノ・カネを
人口減少スピードや、企業の後継者不在率が全国トップクラスの山陰地区。鳥取・島根両県は「課題先進県」と言われて久しく、地域の衰退に対する地元の危機感は強い。地域金融機関もその思いは同様で、地域振興へつながるさまざまな取り組みを積極的に進めている。「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」もその一つ。2016年に創設され、20年4月の税制改正で寄付額の最大9割の税軽減効果が得られることから、利用する企業は増加傾向にある。山陰にヒト・モノ・カネを呼び込むきっかけに同制度を活用している各金融機関の取り組みを取材した。
県外ネットワーク活用
山陰合同銀行は23年度から取引先に対する企業版「ふる納」の提案を本格化する。同制度を活用した地域課題解決プラットフォーム「river(リバー)」のサービスを、近畿・中四国エリアコーディネーターを担うエッグ(鳥取県)と協力して推進。自治体の地域再生計画の策定支援と企業側のニーズ喚起を両輪で回していく。
エッグなどと協力して自治体や企業向けに同制度の活用ポイントや事例を紹介する説明会をこれまで複数回開催。21年度下期~22年度上期に、山陰両県の自治体との関係強化を図り、計18自治体と同サービスの活用で契約した。22年度下期からは各自治体と企業のマッチングを開始し、これまでに15件の寄付受け付けを支援した。【記事提供:ニッキン】
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