帝国データバンクはこのほど、2019年の景気見通しに関する企業の意識調査を行った。19年に景気の回復局面を見込む企業割合は9.1%で、18年見通しから大幅に減少した。景気への懸念材料は「消費税制」が最多。「人手不足」「原油・素材価格(上昇)」が続いている。
19年の見通しについて、「回復局面」が9.1%、「踊り場局面」が38.2%、「悪化局面」が29.4%、「分からない」が23.3%だった。
回復局面は前年調査における18年見通し(20.3%)から11.2ポイント低下。半面、悪化局面が同(12.3%)17.1ポイント上昇した。
回復を見込む企業からは「人手不足により景気が悪くなるとは考えていない。雇用が安定し、消費者マインドが良くなると、消費に火がつき景気が上がる」、悪化を見込む企業からは「消費税率10%の駆け込み需要も大きく見込めず、逆にその反動が大きくなる」などの声が挙がっている。
19年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を三つまでの複数回答で聞いたところ、消費税制が55.3%と最も多かった。前年調査(25.7%)からは29.6ポイント上昇した。
次いで人手不足が46.2%、原油・素材価格(上昇)が45.4%。ともに、前年に続く40%台となっている。
以下は「中国経済」(18.2%)、「米国経済」(17.5%)、「貿易摩擦の激化」(14.5%)、「株価(下落)」(10.6%)などだった。
今後、景気が回復するために必要な政策を複数回答で聞いたところ、「人手不足の解消」が42.7%と最も多かった。以下、「個人消費拡大策」(32.8%)、「所得の増加」(29.6%)、「個人向け減税」(29.4%)、「雇用対策」(27.9%)、「消費税率引き上げへの対策」(27.6%)などが続いている。
調査は昨年11月、全国の企業2万3052社に実施。このうち9746社から有効回答を得た。