高級宿泊予約サイト「Relux(リラックス)」運営のロコパートナーズ(東京都港区、篠塚孝哉社長)は1月22日、契約旅館ホテルを対象に「Reluxカンファレンス2018」を東京・目黒区のホテル雅叙園東京で開いた。230人が参加した。
冒頭では、篠塚社長、塩川一樹取締役、宮下俊部長が登壇し、「Reluxが考える宿泊業界のトレンドと、取り組み・創造したい未来」をそれぞれ発表した。
パネルディスカッション・ホテル編「ホテルの顧客サービス最前線~ネクストラグジュアリーの定義は何か~」では、東京ステーションホテル常務取締役総支配人の藤崎斉氏、ハレクラニ沖縄総支配人の吉江潤氏、目黒雅叙園代表取締役社長の本中野真氏がの3氏が登壇した。
日頃心がけていること、目指していることとして、吉江氏は「すべての人に対してパーソナルな思いやりを持って接すること」、本中野氏は「ウエディングのお客さまを生涯顧客として長くお付き合いしていくこと」と話した。また藤崎氏は、好きな旅館ホテルとして「湯主一條」と「奈良ホテル」を挙げた。
ネクストラグジュアリーの定義について各氏は、「瞬間的なコミュニケーション能力」(本中野氏)、「五感に響くパーソナルなサービス」(吉江氏)、「ラグジュアリーニーズに応えるエモーショナルなエンゲージメント」(藤崎氏)と述べ、サービスを提供する「人」が最重要であることを示した。
パネルディスカッション・旅館編「これから先も選ばれる旅館創り、あり方について」では、食べるお宿浜の湯代表取締役社長の鈴木良成氏、時音の宿湯主一條20代当主の一條一平氏、金谷ホテル観光グループ代表取締役社長の金谷譲児氏の3氏が登壇した。
鈴木氏は「食事は部屋出しにこだわっており、客室係は顧客担当制にしている。日本の伝統文化を守ることに徹底的にこだわっている」と明言した。
一條氏は「ホテルマンをやめて、実家の旅館を継ぐことになった時、自分たちが泊まりたい宿にしようと決めた」と話した。
また、金谷氏は「鬼怒川金谷ホテルでは元々100%部屋食だったが、今は部屋食20%、ダイニング70%、宴会10%の比率だ。旅館とホテルのそれぞれの良いところを取り入れた宿にしている」と述べた。
生まれ変わっても旅館経営をしたいか、あるいは今やりたいことは何か、との問いには、各氏が次のように答えた。
「私は二十代目で、誕生時から運命が決まっていた。生まれ変わっても旅館の主以外は考えられない」(一條氏)、「祖父の名を冠したフレンチレストラン『ジョン・カナヤ』を再度オープンしたい」(金谷氏)、「旅館が好きでたまらない。畳で食事は部屋出しの伝統的スタイルを貫く旅館を生まれ変わってもやり、後世に残したい」(鈴木氏)。