ツーリズムEXPOジャパン初日の9月22日、 観光大臣会合に先駆けて、全日空(ANA)の井上慎一社長が「持続可能な航空業界への挑戦」をテーマに講演。CO2の排出量削減のため、SAF(サステナブル・アビエーション・フユエル=持続可能な航空燃料)と呼ばれる新しい燃料の活用を模索する業界の取り組みを紹介した。
SAFはバイオ燃料など石油由来のジェット燃料以外の燃料の総称。井上氏はSAFについて「従来のジェット燃料は地中から掘り起こした炭素を大気中に放出するという一方通行の仕組みだった。しかしSAFに置き換えることで地上に既に存在する炭素を活用する炭素リサイクルの仕組みとなる。ライフサイクル全体で大気中のCO2を増やさないため、サステナブルな航空燃料といわれる」と解説。
ただ、日本製のSAFが商用化されておらず、「国産SAFの量産化と価格の低廉化は今後の航空業界のカーボンニュートラルの実現に向けて大きな鍵となっている」とした。
会員向け記事です。