全国水利用設備環境衛生協会(水利協、東京都台東区)は、現在、「施設衛生管理適合証」の取得を旅館・ホテルに対して提唱している。同適合証は、協会の審査基準により、適切な衛生管理が実施されていると認められた施設に発行するもの。「第三者機関による公正な審査を満たした施設として、宿泊客(利用者)に、安心・安全を訴求できる」と会長の大熊久之氏。
発行の主な要件は(1)定期清掃・水質検査や日常管理などが適切に実施されているか(2)水利用設備環境衛生士(衛生管理の適切な知識と技術を習得した有資格者)が常時在籍しているか(3)継続的に適切な衛生管理が実施される体制が整っていること―が挙げられる。
対象となる施設は、入浴設備(掛け流し、循環とも)を有する宿泊施設、日帰り入浴施設などで、適合証の有効期限は発行日から1年間。1年ごとに審査が必須という。
また、適合証が発行された施設には、特典として、レジオネラ検査や各種水質検査を特別価格で利用可能。「今月11日から開始される全国旅行支援に備えて、取得を検討してもらえれば」と大熊氏。
水利協は水利用設備の衛生管理の重要性などを啓発するため、1995年に任意団体として設立。2007年には、厚生労働省から社団法人として認められ、同14年に内閣府から公益社団法人の認可を受けた。設立以来、肺炎などを引き起こす恐れのあるレジオネラ属菌の増殖やレジオネラ症への感染を防止するための方法、技術を伝え、環境衛生の向上の必然性を伝えている。
近年では、水利用設備の多様化が進み、生活環境が快適になる一方で、「衛生面における管理基準が不明確なものがあるため、宿泊・温泉施設でも今一度対策を施してもらえれば」と話す。
この件についての問い合わせ先は、水利協メールアドレス(info@suirikyo.or.jp)。