「日本遺産」制度創立10周年 普及へ課題 認知度いま一つ 認定取消の遺産も


北海道小樽市の「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」が新たに日本遺産に認定された(認定証交付式)=迫俊哉小樽市長(中央)とあべ俊子文部科学相(右)

 「日本遺産」―各地に点在する文化財を歴史的な経緯や地域の特色ごとにまとめて観光振興に生かそうと、文化庁が2015年に創設した制度だ。今年、創設10周年を迎え、2月15日、京都市で記念式典が開催された。出席した関係者からは10周年を祝う声が上がる一方、認知度の低さを指摘する声もあった。認定を取り消された日本遺産も出てくるなど、10年がたち、制度が正念場を迎えている印象を受けた。

 2月15~16日、京都市の東本願寺前の市民緑地(お東さん広場)で「日本遺産マルシェ」が開かれ、全国各地の日本遺産を紹介する約90のブースが設けられた。鳥取県三朝町のブースでは足湯も登場。また、日本観光振興協会は「日本遺産御周印帳」を作り、無料で配った。

 市内から来た女性は、「日本遺産は初めて知った。歴史や伝統文化に興味があり、いくつか行ってみたいというところもあった」と関心を寄せていた。

 記念式典で主催者を代表してあいさつしたあべ俊子文部科学相は「(10年を契機として)日本遺産の発展、飛躍に向け、一層取り組んでいく」と強調。また、衆院議員で公明党文化芸術振興会議長の浮島智子氏は「官の力だけではなかなか広がらない。民間にも応援してもらおうとオフィシャルパートナーシップを認定しており、現在57社が入っている。これらパートナーと連携し、盛り上げていきたい」と述べた。

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