
文化庁はこのほど、地域の有形・無形の文化財をストーリーとしてまとめ、観光振興につなげる「日本遺産」について、新たに22都道府県の21件を認定した。認定件数は2015年の開始以降、104件となった。例年開催している認定証交付式は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、行わない。
日本遺産は20年度までに100件の認定を目指していた。今回、これを超えたことから、新規認定の募集を当面取りやめる。ただ、これまで認定された地域の取り組みに温度差があることから、全体の底上げを図り、ブランド力を維持・強化していくため、外部有識者で構成する「フォローアップ委員会」で検討していく方針だ。
日本ワインをテーマにしたのが山梨県甲州市と茨城県牛久市の「日本ワイン140年史~国産ブドウで醸造する和文化の結晶」。
甲州市はブドウ農家との共存共栄を図り、広大なブドウ畑と新旧30ものワイナリーを誕生させた。牛久市の「牛久シャトー」はブドウ栽培から醸造までの一貫した工程を構築し、大規模な醸造体制を確立。切磋琢磨して日本のワイン文化の広まりに貢献したことが評価された。文化庁は、「歴史を知ればワインの味わいもより深くなる」と指摘する。
日本酒をテーマにしたのが兵庫県の「『伊丹諸白』と『灘の生一本』」。現存する日本最古の酒蔵「旧岡田家住宅・酒蔵」(伊丹市)などで構成される。
東京都からは「霊気満山 高尾山」(八王子市)が認定された。八王子は養蚕や織物が盛んで「桑都(そうと)」と称され、養蚕農家や絹商人は高尾山を信仰。江戸時代に花開いた桑都の伝統文化が連綿と受け継がれていることが評価のポイントとなった。