「有馬山椒」を15年かけ復活 有馬温泉観光協会、名産品開発 販売


有馬山椒を使った名産品を開発

 一般社団法人の有馬温泉観光協会(神戸市、金井啓修会長)はこのほど、約15年かけて地元に原生していた特徴的な香りを持つ「有馬山椒(さんしょう)」を復活させ、これを使った名産品を開発した。山椒料理の名称として広く浸透している「有馬」で地元の山椒を再興、名産品の開発、販売をすることで、有馬山椒の魅力とともに、「ARIMA」ブランドの認知度向上にもつなげたい考えだ。

 日本料理で山椒を使った料理は「有馬煮」「有馬焼き」と命名されるほど、有馬と山椒の結びつきは深い。古くから六甲山など有馬周辺では山椒が自生し、季節になると地元では家庭料理で楽しんだほか、明治時代には山椒の実をしょうゆ煮にした「有馬山椒」という名物土産が生まれ、多くの人に知られるようになった。その一方で、開発とともに地元の山椒の木は失われ、「有馬山椒」などの土産品も、地元の山椒が使われなくなっていた。

 そこで有馬温泉では、05年の地域商標制度の開始をきっかけに、本来の有馬山椒を復活させようと、金井会長らによるプロジェクトチームを09年に発足。六甲山から有馬山椒の原木と思われる2種類のサンプル「湯船谷」「稲荷山」を採取し、県の協力の下5年をかけて育成。その後同市大沢地区の農家の協力を得て、苗木の量産と栽培を始めた。

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