箱根湯本で会員総会
日本温泉協会(1208会員)の会員総会が6月21日、神奈川県・箱根湯本温泉の湯本富士屋ホテルで開かれた。コロナ禍で対面式の総会は3年ぶり。役員改選が行われ、会長には笹本森雄氏を再任した。ユネスコ無形文化遺産に「日本の温泉文化」の登録を目指す運動の強化を決め、外部の有識者などをメンバーに募って特別委員会を設置する方針を確認した。
あいさつで笹本会長は「コロナに明け暮れた2年間だったが、皆さまのおかげで、ここまでやってこられた。観光はまだまだ回復の兆しが見えていないが、Go Toトラベルに替わる政府の新しい観光需要喚起策も開始されるということで期待している」と述べた。
温泉資源の保護、温泉文化の発信について笹本会長は「地熱発電開発への対策については、有意義なエネルギー政策との共生を図るとともに、限りある温泉資源の保護のための活動に取り組む」「6年後の協会100周年に向けて、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録することを目指す事業を展開していく」と述べた。
承認された2022年度事業計画には、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録する運動の推進▽4回目を迎える温泉名人認定試験「温泉検定」の実施▽温泉資源保護に向けた地熱開発対策の活動▽ポスター販売などを通じた訪日外国人旅行者の入湯マナー向上支援▽環境省「新・湯治」事業への協力―などを盛り込んだ。
協会の前田眞治学術部委員長の報告に続き、開催地の勝俣浩行箱根町長、来賓の環境省自然環境局自然環境整備課温泉地保護利用推進室の北橋義明室長らがあいさつした。また、地元選出の衆院議員でデジタル相(行政改革・規制改革担当相)の牧島かれん氏、「日本の温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録を後押ししている群馬県の山本一太知事がビデオメッセージを寄せた。
総会後には、協会相談役の大山正雄氏による記念講演「箱根火山と箱根温泉」と、高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏をコーディネーターに温泉文化に関するシンポジウムが開催された。
会長、副会長は次の通り(敬称略)。
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