灯台を観光振興などに生かせないかを考える「灯台ワールドサミット」が10、11日、三重県志摩市阿児町の阿児アリーナで開かれた。内部に入れる参観灯台を持つ4自治体が呼び掛け、初めて実現。主催はサミット実行委員会と一般財団法人自治総合センター。
1868(明治元)年、西洋式灯台の建設が始まってから今年で150年になるのを記念した行事の一つ。志摩市、千葉県銚子市、静岡県御前崎市、島根県出雲市が発起人を務め、関係者ら約200人が参加した。
講演会では、回転式フレネル式レンズの生まれ故郷である仏からヴィンセント・ギグエノー氏(仏海洋博物館)が「仏式の灯台と灯台観光の現状」をテーマに講演した。ちなみに、阿児町にある安乗埼灯台は日本で初めて回転式フレネル式のレンズが採用された灯台という。
「地域資源としての灯台を使った地域活性化を考える」をテーマとしたパネルディスカッションでは、志摩、銚子、御前崎、出雲の各市長らが登壇し、意見を述べた。
また、灯台の観光資源化のため、関係自治体間で連携する協定書に調印するとともに、来年は銚子市で開くことを決めた。11日には船で志摩市の灯台を見て、大王埼灯台の周辺を歩くオプショナルツアーも実施された。
関係者によると、灯台は国内に3千基ほどあるが、参観灯台はわずか16基しかない。灯台の観光資源化は進んでいないのが現状だ。