草津温泉(群馬県草津町)で3月27日、東日本大震災で被災し、避難してきた人たちを対象にした落語の無料公演会が始まった。温泉らくご事務局の大谷正美広報室長(草津ナウリゾートホテル)は「宿泊キャンセルが相次いでおり、温泉地自体が非常に厳しいが、被災者の方々が少しでも笑顔になってくれれば」と力を込める。
温泉らくごは温泉街の活性化を目的に、09年12月から開始、年中無休で公演している。被災者受け入れを機に、同事務局と落語芸術協会(桂歌丸会長)が「湯上がり落着けボランティア隊」を発足、同協会の若手落語家26人が参加し、被災者に落語を楽しんでもらうことにした。
初日の27日、11人が会場となったナウリゾートホテルに集まった。被災者が滞在している宿泊施設からマイクロバスでの無料送迎だ。「春風亭べん橋さんの『時そば』や『転失気』に参加者は大笑いし、束の間、楽しんでいただけたようだ」と大谷さん。
無料講演会は原則、毎日行う。また、「通常行う午後8時からの温泉らくごも被災者の方は無料」と言う。