全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は5日に開いた通常総会と理事会で、委員会の今後の活動方針を報告した。住宅宿泊事業法対策委員会の桑田雅之委員長(長野県・菅平高原温泉ホテル)は違法民泊の排除に向けて、保健所への連絡など組合員の協力を求めた。
桑田委員長は民泊の届け出件数が5月31日時点で724件と低調な点に触れ、「6万件といわれていた物件の1割に満たない。法律で届け出をしなければならないことの効果が出ているのではないか」と指摘。
今後について「あの手この手で来る可能性がある。動きを注視しなければならない。届け出番号がない民泊は簡易宿所の許可を取っているものと国家戦略特区以外は全て違法物件。見つけたら保健所に連絡してほしい」と呼び掛けた。
同委員会担当の大木正治副会長(愛媛県・ホテル葛城)は「各警察署に生活安全課という部署がある。あいさつに行き、連絡を密にすることが違法民泊対策で有効だ」と都道府県旅館ホテル組合理事長らに訴えた。
総務会メンバーの佐藤信幸常任顧問(山形県・日本の宿古窯)は、政府の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込まれる見込みの宿泊など5業界を対象とした外国人の新たな在留資格に触れ、「私ども業界は大変助かるが、問題も含まれている。日本語を学んだ費用など、相当な投資を回収しなければならず、平均賃金は22万円前後になるといわれている。地方においては日本人の賃金との差がほとんどなくなる。日本語だけできるのではなく、即戦力の人材が必要だ。実務能力のある人材を外国で教育する事業を考えていかねばならない」と述べた。
熊本市で開催された全旅連総会(中央は多田会長)