日本の「伝統的酒造り」が日本時間の5日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。南米パラグアイで開かれたユネスコの政府間委員会で日本が提案した日本酒などの伝統的酒造りの同遺産への登録を審議し、全会一致で登録が決まった。国内の無形文化遺産登録は「歌舞伎」「和紙」「風流踊」などに続いて23件目。日本では2026年に「書道」の登録を目指すほか、観光業界が「温泉文化」の2028年の登録を目指している。
東京都内で行われた記者発表会には、「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」の小西新右衛門会長=写真左=、日本酒造組合中央会の宇都宮仁理事=同右=が出席。登録を歓迎するメッセージを述べた。
日本酒などの蔵元を訪ねる「酒蔵ツーリズム」を国内の観光業界が推進しており、今回の登録でその普及にも弾みがつくと関係者は期待している。日本酒蔵ツーリズム推進協議会の杉野正弘事務局長は「日本産の酒について、海外からの関心が高まることは間違いない。全国の酒蔵や、酒蔵がある地域への誘客にもつながるだろう」と述べている。