「5つ星」ホテルを地方に 観光庁、誘致・整備へ実行チーム


インバウンド再開を見据え、富裕層向けサービスの創出を目指す(10月5日の有識者委員会)

 観光庁は、外国人富裕層などに対応した施設・サービス水準を備えている宿泊施設「世界レベルの宿泊施設」の誘致、整備を地方部を中心に促進する。インバウンドの消費拡大につながる高品質な観光サービスの創出について戦略を検討する有識者委員会を立ち上げ、その下に宿泊施設の整備を具体的に推進する実行チームを設置した。実行チームは、ホテル事業者や開発事業者にヒアリングを実施し、地域と事業者の協議も促す。

 委員会の名称は「上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会」で、委員は大学教授やホテル事業者など13人。その下に「上質な観光地整備実行チーム」を設置し、開発事業者などを含めて8人が委員に就いた。10月5日には委員会、実行チーム合同の初会合を開いた。

 委員会、実行チームの両方の座長には、国際的な経営コンサルティング会社のA.T.カーニー日本法人会長で、CICJapan会長の梅澤高明氏が就任した。政府の観光戦略実行推進会議にも有識者として参加している小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が両方の委員になっている。

 実行チームの取り組み内容は、(1)各拠点における上質な宿泊施設の整備ニーズに関する調査(2)国内外のホテル事業者、デベロッパーへのヒアリング(3)地域とホテルのマッチング、協議の促進(4)課題の検討、解決の支援(個別プロジェクトに伴う規制や支援などの具体的な課題についての議論/地域とホテルの共創を通じた観光地の上質化、高付加価値化への支援)。

 委員会、実行チームの検討と並行して、観光庁は、外国人富裕層の誘客を目指す宿泊施設の人材育成事業も始めた。世界のラグジュアリーホテルを審査・評価する「5つ星」の格付けシステムを世界で初めて導入したとされるフォーブストラベルガイドによる研修などを開催し、先進事例を創出する。

 実行チームの座長の梅澤氏、アトキンソン氏以外の委員は次の通り(敬称略)。

 鴉田隆司(不動産協会リゾート事業委員会委員、三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル・リゾート事業二部長)▽髙野雅臣(クリル・プリヴェFounder&CEO)▽永原聡子(アトリエラパズ代表取締役)▽松嶋一重(日本政策投資銀行常務執行役員)▽矢ケ崎紀子(東京女子大学教授)▽涌井史郎(東京都市大学環境学部特別教授)


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