JTBは19日、第7回となる「JTB交流文化賞」の受賞作品を都内のホテルで発表した。地域(観光地)固有の魅力を創出し、地域活性化に長年取り組んでいる組織、団体を対象にした賞。最優秀賞には「体験村・たのはたネットワーク」 (岩手県下閉伊郡田野畑村)の取り組み「漁村の暮らし体験が地域を再生する『番屋エコツーリズム』」が選ばれた。
過去最高の62作品の応募があった。たのはたネットワークは00年から、昔ながらの生活様式に着目し、番屋や漁場を体験観光のソフトとして活用した観光の取り組みを開始。震災の影響で11年度はキャンセルも相次いだが、被災地見学、防災教育という新たな切り口で、今後も受け入れ拡大を目指している。
選考委員を代表した立教大学観光学部教授の安島博幸氏は「地域の人々の手による着地型観光をいち早く復活させた熱意と思いに対して、敬意を表したい。体験型観光を通じた交流の復活がエンジンとなって漁業地域の振興につながる活動となっていることを高く評価した」と講評を述べた。
このほか優秀賞として、「JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会」(愛媛県伊予市)の「何もないけど何かある…。無人駅を、ひとのあつまる場所に。」と、「東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会」(大阪府東大阪市)の「若者に伝えたいんや町工場のおっちゃんが熱く語る“モノづくりの心”」の2作品が選ばれた。
地域の文化や人々との交流を体験記に描いた一般旅行者を対象にした「交流文化体験賞」も併せて発表した。大久保達夫氏の『モザンビークの空に浮かんだシャボン玉』が最優秀賞に。
田川JTB社長から表彰状を授与される、NPO体験村・たのはたネットワーク理事長の道合勇一氏(写真右)