開聞岳と海の絶景
――屋号の由来は。
「元々は昭和40年に祖父が創業した料理店の屋号でした。目の前の海でとれるイセエビの料理を出したことが由来のようです。昭和50年代に宿泊業を始めましたが、今でもイセエビづくしの料理が宿の自慢です」
――イセエビづくしとは。
「イセエビの生き造り、殻からだしをとったみそ汁、イセエビのだしで炊いたご飯が基本メニューです。シンプルですが、これがおいしい。生きづくりはお客さまが席に着いてからさばきます。また、イセエビの半身をこんがり焼いたネギみそ焼きは創業時から受け継がれてきた逸品です。イセエビは縁起物といわれ、お祝い事での宿泊やお食事の利用も多いですね」
――客室は。
「和室、和洋室の9室全てから、薩摩富士といわれる開聞岳が水平線に浮かぶ絶景が見られます。一部の客室は、より景色が楽しめるようにリニューアルしたばかりです」
――景観も魅力的な宿なのですね。
「当館からすぐのところに番所鼻自然公園があり、そこからの海と開聞岳を見渡す景色は、江戸時代に日本地図をつくるために全国を歩いた伊能忠敬が『天下の絶景』と絶賛したほどです。公園にはそのことを記した石碑も建っています」
――地域の観光PRをお願いします。
「当地、頴娃町は、隣接する指宿や知覧のような有名観光地ではありませんが、頴娃おこそ会というNPOを中心に、地域活性化に取り組んでいます。UIターンを促進し、移住者と地元住民が協力することで、古民家の再生やカフェのオープンなど、観光振興にもつながる地域づくりに取り組んでいます」
【1泊2食付き2万900円から】