家族プランが大ヒット
第685回よその旅館ホテル
──何を一番の売りとしていますか。
「源泉かけ流しの温泉です。ほぼ無色透明で『肌にまろやかな湯』とお客さまにとても喜ばれています」
──食事はどんなものを。
「山の宿の地産地消ということで、米、味噌、しょうゆ、川魚などは地元のものを使っています。川魚は今の時期だとウナギやアマゴなどですね。川魚が嫌いな方は信州豚も選べます」ヨーロッパやアジア各国を旅行して多くの友人ができました。皆さんに日本に来るよう誘うと、『料金が高い』『(高級ホテル以外では)言葉が通じない』など、宿泊施設に対する不満が数多く聞かれました。それでは自分でやってみようと。ホテルではなく旅館に泊まっていただき、格安の料金で日本の生活様式に触れてもらいたいと考えたのです」
──サービスの特徴は何でしょう。
「派手さはありませんが、親戚の家に帰ったときのようにゆっくりと過ごせます。館内は畳敷きのため、スリッパではなく、温泉足袋をご用意しているのも好評です」
──もてなしでの気遣いは。
「全部で24室なので、お客さまの顔と名前、部屋番号はだいたい覚えられますから、声を掛けることを心掛けています。一方で、宴会のお客さまは別として、あまり出過ぎないようにしています。一歩引いて見て、さりげなくサービスするよう努めています」
──夏の客入りは。
「8月は前半から家族連れのお客さまを中心ににぎやかで、20日まで全館空きがありません。客層は年代的には60代が多かったのですが、インターネットで家族応援プロジェクトと銘打ち、赤ちゃんと幼児が無料のプランを作ったのが、非常に当たりました」
──今の傾向として何か感じることはありますか。
「ある程度、計画性を持って泊まりに来る人が増えました。4、5年前までは飛び込みもありましたが、2、3年前からですかね。今年の夏は2週間くらい前には予約がほぼ埋まったので、特にそう感じます」
【1泊2食付き平日1万3千円から】