捕れたての魚介、朝夕に
第613回よその旅館ホテル
──料理が自慢とか。
「『スローフード』の考え方に基づいて、地元の季節の食材を使った料理を提供するよう心がけています。米や野菜だけでなく、しょうゆなども可能な限り地元のものを使っています。また魚介は、地元の定置網の網元とつながりがあるので、そちらで捕れた魚を毎朝優先的に仕入れています。食事は朝夕共に部屋出しです。捕れたてのイカの刺身を供するなど、朝食にも力を入れています」
「最も人気なのは伊勢エビとアワビのいずれかを選べる『大漁船盛プラン』です。昨年秋から地元の旅館で協力して始めた『南総館山発見膳』は、館山ゆかりの伝奇小説『南総里見八犬伝』にちなみ、伊勢エビのほかアジや地元の豚肉など8つの食材を使っています。徐々に予約も入るようになってきました」
──温泉も楽しめるようですね。
「ヒノキを使った内湯では、強塩泉の温泉を楽しんでいただけます。露天風呂と貸し切り風呂も人気です」
──客層は。
「若い方から年配の方まで幅広いですが、やはり平日はシニア層がメーンになります。1年を通してご利用いただいていますが、12〜3月は、暖かい房総での花摘みなどを目的に、非常に多くの方にお越しいただいております」
──予約ルートは。
「自社ホームページ経由、じゃらんなどの雑誌経由、ネットエージェント経由がそれぞれ3割くらいです。全体の2割がリピーターの方ですね」
──経営の課題は。
「施設の老朽化が進んでいることです。また3階建てなのにエレベーターがないことも、お客さまのシニア化に伴い改善すべき課題となっています」
【13室、1泊2食1万1千円から】