独歩が愛した旅館
第908回よその旅館ホテル
──塩原温泉の中心街にある、純和風旅館の趣ですね。
「創業約150年になります。明治時代の小説家、国木田独歩がよく利用していたと聞いています。小説『欺るかざる記』に当館が登場します」
──1泊2食のスタイルですか。
「お客さまのさまざまなニーズに応えられるよう、2食付きから素泊まり、日帰り、0泊夕食付きなどを用意しています。例えば、1泊2食付きは平日で税込み1人1万3450円から、素泊まりは7千円からといった具合です。別途入湯税をいただきます」
──塩原といえば温泉ですね。
「当館は自家源泉を所有しており、玄関の前でコンコンと湧くさまが見られます。泉質は塩化物泉で、とても温まると好評です。肌もツルツルになり、女性のお客さまも喜ばれます。また、飲泉許可もとっています。塩原には60軒ほどの旅館がありますが、飲泉許可を得ているのは10軒程度で、当館のセールスポイントの一つとなっています」
──「茶室風呂」というのがありますね。
「『寂の湯』のことですね。内湯から露天風呂の間に茶室があり、日本情緒漂う趣のある空間を楽しんでいただければ、と」
──食事は。
「山の幸、川の幸の素材を生かした料理を提供しています。無煙ロースター付きのテーブルを囲む、掘りごたつ式の居酒屋風食事処で召し上がっていただきます。国産牛を使ったステーキプランは1日3組限定です」
──景色もいい?
「当館は箒川沿いにあり、テラスからの風景は必見です。これからの季節は涼しい風を感じながら、ビールでも飲んで過ごすのがおすすめです」
【客室18】