もてなし自慢で大賞も
第700回よその旅館ホテル
──歴史のある宿です。
「吉野山の旅館の中で最も古い門前宿です。天保12年小田宅子の『東路日記』や嘉永元年氷室長翁の『芳野日記』にも登場します」
──近くに国宝で世界遺産の金峯山寺蔵王堂がありますね。
「徒歩5分という近さです。宿泊者の特権で、気軽に蔵王堂の朝座勤行に参加できます。見るだけでなく体験型の朝座勤行で人気です。来年の3月30日〜6月9日は、蔵王権現様の特別ご開帳が予定されています。普段は見ることのできない、7.3メートルある巨大な蔵王権現様が見られます。また、吉野山旅館組合主管の『宿泊者限定 夜間拝感』も行う予定です」
「吉野は桜が有名ですが、その時期は外した方がおすすめです。『歌書よりも軍書に悲し吉野山』と歌われるとおり、多くの戦があった深い歴史を感じて頂きたいです」
──館内の特徴は。
「『あたたかみのある宿』をコンセプトに96年に改装しました。吉野材を使用したエントランスは、和の風情を感じられます。夕食は部屋食でゆっくりと楽しんで頂けます」
──おすすめの料理は。
「吉野葛を使った『登録商標 味の西行鍋(さいぎょうなべ)』です。新鮮な季節の山野草に鶏肉(大和肉鳥、雉肉など)を入れ、代々受け継がれた吉野葛の入った特製出汁で煮ます。煮えるほどにコクのあるあっさりとした出汁が好評です」
──おもてなしが魅力ですね。
「奈良県主催の『奈良のお宿自慢』表彰で、おもてなし自慢の宿として部門大賞を頂きました。スタッフ一同力を合わせ、世界遺産である吉野山の魅力を伝えたいです」
──料金は。
「1泊2食で1万6800円から2万6250円です」
【12室、定員70人】