「薬石風呂」で心身健康に
第586回よその旅館ホテル
──「心と体の保養の宿」とありますが。
「もともと企業の保養所から始まりました。温泉は漢方やヒマラヤの岩塩を入れた風呂や、うちで特許を取っている『薬石風呂』というのがあります。薬効を持った15種類の石を敷き詰めて温め、岩盤浴のように入ってもらいます。体を芯から温め、血行をよくします。あまり汗をかかない人でもよく発汗し、体の中の毒素を外に出します」
──料理はどんなものを。
「自分のところで畑をやっていますので、そこで採れたものをなるべく使うようにしています。年によって植えるものが違うのですが、ジャガイモ、大根、トマト、キャベツなどが採れます。それからヤーコンというアンデス地方原産のキク科の植物があります。サクサクとした食感で、サラダにしたり、味噌漬けにしたりしてお出ししています」
──そのほか貴館ならではの特徴は。
「館内にスリッパがありません。スリッパを履くと足の指先を圧迫し、血流を悪くするからです。じゅうたん敷きですが、冬は床暖房で温めています」
「それから2年ぐらい前から館内を禁煙にしました。お風呂目当てにいらっしゃる健康志向の方が多く、お客さまからの要望が結構多かったです」
──接客で心がけていることは。
「保養所感覚で来られる方が多いので、過剰なサービスをしないようにしています」
──どんなお客さんが多いですか。
「県内の近くの人と関東からが多いです。湯治のための長期滞在も多いです」
──1泊2食の料金は。
「平日で消費税、入湯税別で1万円からです」
【26室、126人収容】