雑木林に佇む古民家宿
第782回よその旅館ホテル
──古民家を移築した建物が印象的です。
「当館は3300坪の雑木林の中、7棟の木造建物によって構成されています。うち4棟は島根県石見地区の酒蔵や醤油屋などの古民家を移築し、ロビー、大浴場、食事処や三つの客室として利用しています」
──古民家利用の経緯は。
「歴史書を調べたら1780年に生まれた江戸時代の歴史家・頼山陽が12歳のときに当館を利用したとありました。そのころから有福温泉で旅館を営んでいましたが、10年前に県道の整備のため、有福温泉街から少し離れた今の場所に移転しました。その際、有福の環境に鉄筋の建物はそぐわないと思い、古民家を移築して利用することにしました」
──バリアフリーにも対応しています。
「駐車場から部屋や食事処まですべて車椅子で移動可能です。また大浴場と家族風呂は各二つありますが午後8時〜午後11時半の間は大浴場も家族風呂に切り替え、四つの貸し切り風呂にしています。これが、介助が必要な方がいるご家族に好評を得ています」
──料理は。
「食材は地産地消、無添加にこだわっています。秋はプラス5400円でのどぐろをお造り、炊き合わせ、焼き物、しゃぶしゃぶにして出しています」
──周辺観光は。
「車で15分のところに白イルカのいる水族館や子供向け遊具がそろった県立石見海浜公園があります。車で2時間以内の範囲に石見銀山、広島の原爆ドーム、宮島と三つの世界遺産が揃っています。ただ、日曜日の高速料金の割引がなくなったことやガソリン代の高騰で客足に影響が出ています」
【9室。2名以上で平日1泊2食付き2万1750円から(税込み)】