桜一望の露天風呂
第569回よその旅館ホテル
──桜の名所のようですね。
「吉野山の桜の見頃は4月の中旬で、約3万本の山桜が山一面を覆います。吉野山は古来より修験道の根本道場として栄えてきました。約1300年前に役行者が大峰山で金剛蔵王権現を感得し、その姿を山桜の樹に彫り現在の金峯山寺蔵王堂に安置したことから、ご神木という形で住民や修験者らによって山桜は植えられてきました。観光のためだけでなく、ご寄進という形で植え続けられている『祈りの桜』です。秋には約2カ月にわたって紅葉が楽しめます」
──施設の特長は。
「吉野山の真ん中に位置し、部屋やお風呂からは一目千本で名高い吉野山の桜や季節の移り変わりをご覧いただけます」
──お風呂は。
「当館自慢の露天風呂『阿吽の湯』は、吉野山の谷あいに源泉があり、南北朝時代には後醍醐天皇を癒した湯となっています。泉質は炭酸水素塩泉で、打ち身や関節痛などに効能があります。『阿吽の湯』からは、中千本、上千本の桜を一望でき、朝には眼下に広がる朝霧が天空のお風呂を演出します」
──料理は。
「吉野葛を使った『葛御膳』や、冬には鹿、猪といったジビエ料理を提供しています」
──宿泊プランは。
「天然の薬草オイルを使い、本場スリランカで技術を習得したセラピストによる『アーユルヴェーダプラン』が人気です」
──イベントは。
「4月11、12日には、本尊の金剛蔵王権現に桜の開花をご報告する『花供懺法会(はなくせんぽうえ)』という、金峯山寺最大の法要が行われます」
──料金は。
「2人1室で、1泊2食1万6千円から2万3千円です」
【19室、定員90人】