「北海道最古の温泉」
第819回よその旅館ホテル
──「開湯800年、北海道最古の温泉」とうたわれています。
「甲斐の国の倭人がこの地に入って発見したと書物に残っています。もともと自然に湧出していたもので、地元のアイヌの人たちも利用していたようです」
──どんな温泉ですか。
「源泉が6カ所あり、明礬(みょうばん)泉、ホウ酸泉、炭酸弱塩泉、鉄鉱泉と、いろいろ種類があります。一軒宿なので、全て自分のところで使っています」
──効能は。
「神経痛、リウマチ、アトピー、やけど、がん系統と、いろいろな病に効くと言われています。アトピーで何十年と医者にかかっていた、ある料理の権威の方が、3カ月間お湯を送ってあげたらすっかり治ったそうです」
──湯治の人が多いのですか。
「昔は多かったのですが、今は秘湯巡りや観光、ビジネスで来られる方が多いです。大千軒岳という山があり、登山客もよくおいでになります。この山は島原の乱で弾圧されたキリスト教の信者が逃げてきた場所で、山から下りてうちの温泉にも入ったそうです。山には隠れキリシタンの石碑も残っています」
──宿の歴史は。
「うちが買ってから120年で、私が4代目。その前を含めて、分かっているだけで17代目になります」
──料理は。
「魚介類は地元の漁協から毎日仕入れています。今はマコガレイやイカがおいしいです。ワラビ、ウドなど地元で採れた山菜も評判です」
──北海道新幹線がもうすぐ開通します。
「秘湯巡りの方が来やすくなるのではと期待しています」
──1泊2食の料金は。
「1万2030円からです」
【28室、86人収容】