創業115年の料理宿
第862回よその旅館ホテル
──一番の売りは。
「料理旅館ですので、やはり料理ですね。中でも冬場にお出ししている天然の真ガモを使った『鴨すき』が名物で、これを目当てに毎年お越しになるお客さまもいます。冬以外は、その時々の食材を使った会席料理を楽しんでいただけます。これからの季節ですと、ハモやアユ、ウナギなどをお出ししています」
──温泉もあるとか。
「光明石を使った温泉になります。露天風呂は非常に見晴らしが良く、周辺の風景を借景として望めるので大変好評です。春先には桜がすばらしいですし、今の時期はツツジが美しいです。秋には紅葉も楽しんでいただけます。大阪の中心部から40分ほどの立地なのですが、お客さまからは『石川の山中温泉に来たような感じだ』などと喜んでいただいています」
──お客さまについて教えてください。
「大阪府内の方が中心です。ネット予約は少なく、常連さんが多いです。当館は明治35年創業ですので、『おじいさんが使っていた』などと言ってご利用くださる方もおられます。最近は訪日客の増加で大阪中心部の宿泊施設がいっぱいなので、静けさを求めて当館まで足を延ばされるお客さまが多いです」
──経営上の悩みは。
「年末年始の5日間以外は営業しているので、お客さまを受けながら改装や設備点検をしなければならないことです。規模も大きくないですし、当館は休みなしとお客さまも分かっているので、簡単には休めません」
「今年は6〜10月に、創業115年記念キャンペーンを行います。お得な料理プランを設定するほか、好きな柄を選んでいただける有田焼の茶碗のプレゼントも予定しています」
【13室、1泊2食1万800円から】