「残酷焼き」が評判
第648回よその旅館ホテル
──漁師町にある旅館ということですが。
「元々は網元だったのですが、約40年前に女将が1人で小さな民宿から始めて、今に至っています。客室数は19で、従業員10人でやっています」
──となると一番の売り物は料理ですね。
「目の前に魚市場があるので、毎日、新鮮な魚介類を提供しています。刺身のほか、当館名物の『残酷焼き』も好評です」
──残酷焼きとは。
「生きたままの魚介をお客さま自身で焼いて食べてもらうものです。車えびなどがぴくぴく動きます。今の旬はカマスやタイなど。残酷焼き専用の焼き台を施設の4階に設けています」
──客層は。
「家族連れや老人会などの団体がメーンですね。ほとんどが愛知、岐阜、三重からのお客さまです」
──景気はどうでしょうか。
「震災による旅行自粛でかなり悪いが、10月に入ってようやく客が戻ってきました」
──集客はどのようにやっていますか。
「あまり力を入れておらず、ネット系も含めエージェント経由の予約は少ないです。団体客は常連が大半で、個人客はその団体客が次に来たり、クチコミの評判を聞いてやって来るという状況です」
──接待面でのモットーは。
「女将は『お客さまに喜んで帰っていただきたい』と言うのが口癖で、従業員にもそれを繰り返し語っています」
──最近の客の傾向として何か気付く点はありますか。
「宴会の二次会をやめるなど、団体客が遊ばなくなりました。持ち込みも以前より多いですね。いかに節約して楽しむかという考え方のようです」
【19室、1泊2食付き8400円から】