肉桂香る「楽漫焼き」
第571回よその旅館ホテル
──名物料理があるとか。
「肉桂の葉の上にシイタケや牛肉、合わせ味噌をのせて焼く、『不老長寿の楽満焼き』です。蜂蜜などを合わせた甘めの合わせ味噌と醤油も香ばしく、非常に好評です。牛肉の朴葉味噌焼きの代わりを探して山に入った時に流れてきた肉桂の神秘的な香りから着想を得ました。宿に肉桂を移植して、その葉を使っています」
「目の前を流れる秋川の、天然アユ、ヤマメもお出ししています。そばにきれいな水も湧いており、この水で自家栽培したクレソン、これからの季節は、山で採れたワラビやヨモギなどの山菜も供します。手造りの竹の器に盛りつけるなどの工夫もしています」
──客層は。
「スポーツ少年団の合宿からシニアの方の趣味の旅行まで、幅広いです。横浜や千葉など関東の方が多いですが、インターネット予約の方の場合は京都など遠方の方も来られます。電車は本数が少ないので多くの方が車利用です」
「秋川のカーブ沿いに位置しているので、上流から下流を一望できます。珍しいヤマセミはじめ、カモやシラサギなどさまざまな鳥が来ますので、写真を撮ろうと連泊する方も目立ちます」
──予約経路は。
「この2、3月はインターネット予約サイト経由が多いですが、合宿の多い夏などの混雑期は、リピーターの方からの直予約が中心です」
──経営の課題は。
「建物が古いので手を入れたいところは多いのですが、まず木をふんだんに使ってトイレをバリアフリー化しました。小さな宿ですので、あまり無理せず、できることを精一杯やっていこうと考えています」
【5室、1泊2食1万円から】