新鮮伊勢エビ年中提供
第1088回よその旅館ホテル
――創業は。
「最初は、祖父が近隣の漁港で伊勢エビが取れ、江戸時代に伊能忠敬が『天下の絶景』と絶賛した薩摩富士・開聞岳が望める景色の良い場所に飲食店を構えました。その後、宿泊施設へと形を変え、今は56年目。私で3代目となります」
――食事は。
「海の側ということもあり、温度管理をしたいけすを設け、伊勢エビを体調管理しているので常に新鮮な伊勢エビが味わえます。地産地消にもこだわり、郷土料理である黒豚やカツオなどを使った料理も提供しています」
――景色は。
「開聞岳に加え、全室から海が望めます。昔、宿のある場所から知覧基地から出撃した特攻隊が見えたといいます」
――客層は。
「コロナ後は地元の人、伊勢エビ目当てのシニアが多いです。伊勢エビは縁起物ともいわれ、祝い事での利用もあります」
――地域の魅力は。
「伊勢エビと、夫婦円満ともいわれるタツノオトシゴの養殖が行われることなどから、『縁起の町』として売り出し中です。茶寿階段がある大野岳公園、パワースポットである釜蓋神社などもあります」
――一方、課題は。
「鹿児島の南端にあり、アクセスが悪いです。また、過疎化が進み、最近は古民家を改築して誘客する取り組みも行われています」
――将来は。
「宿泊事業だけでなく、地域の特産品、オリジナル商品の販売や、茶畑が広がる地域での『グリーンティーリズム』の推進を地域と共に取り組んでいます。町では、2005年に頴娃おこそ会を設立し、訪れて良し、住んで良しといわれる町を目指しています」
【10室、平日1泊2食1万3200円から(税込み)】