尾道文化を楽しむ宿
――宿の紹介をお願いします。
「日本の商業の要衝として発展してきた尾道の迎賓館として、80年以上の歴史がある老舗旅館『西山別館』を昨年4月にリニューアル開業し、本当の尾道文化を今に伝える宿として営業しております」
「西山別館の日本家屋は文化財としての価値が非常に高く、地元銀行の協力もあって私たちが経営を引き継ぐことになりました」
――客室の特徴は。
「庭園を囲むように建つ6棟8室の離れ。皇族や豪商、文人墨客にも愛された客室の中には、引き船で運ばれてきた伝統的な日本家屋もあります。貴重な建具は、磨きや削りをかけてそのままに。水回りは新装し、寝室は上質な寝具で整えました。和紙の灯りや障子が生み出す陰影。額縁のような木枠の窓。古き良きものは残しつつ現代の快適さを加え、クラシックとモダンを融合させた客室です」
――料理は。
「開放的なガラス張りのレストランで、尾道の野菜や瀬戸内の魚介を使ったフレンチベースのイノベーティブを提供。オープンキッチンでシェフの調理風景を目の前でお楽しみいただけます」
――利用者層は。
「当館は国内のシニア層が主なターゲット層で、海外のお客さまは1~2割ほどです。リニューアル後は、記念日などで宿泊される若い方も増えています。年末年始シーズンには、尾道に帰省した方が家族と過ごす空間として利用するケースも見受けられます」
――旅館運営で今後取り組まれることは。
「今後も使われていない茶室や蔵にも手を加え、体験型コンテンツとして新しい価値を提供していきたいと思っています」
【全11室。2人1泊2食付き1人当たり5万5千円から(税込み)】