「接客・サービス」にこだわり
お客様の満足を第一に
石川県・和倉温泉の加賀屋(小田與之彦社長)は明治39年創業。屋号には創業者の小田與吉郎氏が加賀・津幡の出身であり、天下に響く雄藩加賀百万石のように大きく飛躍したいとの願いを込めている。
加賀屋のおもてなしの心は、「いつもお客さまの満足を第一に考え、働いた」という先代女将の小田孝さん(故人)の精神から生まれた。小さな気配り、心配りを基本にした客室係のサービス。今はどこでも見られる習慣、女将たちによるあいさつまわりは、加賀屋で始まったといわれる。
「小田孝はお客さまには『できません』とは言わないようにして、一人一人のお客さまと真剣勝負をするつもりで、サービスにあたった」(同館)。その心は今も受け継がれている。
1階の「錦大路」は、全長80メートルにわたるエンターテイメントゾーン。躍動感あふれるショーが開催されるシアタークラブ「花吹雪」や和風ステージ「祭り小屋」などが設けられ、にぎわいを作り出している。
加賀屋の味とおもてなしを味わえる店は東京にもある。2001年9月に東京の中心地である銀座でオープンしたのが「加賀屋銀座店」だ。石川の伝統美なども楽しめる店として、多くの人から支持を得ている。銀座店は開業から20年が経過し、設備の不具合や内装の一部に経年劣化が目立ってきたことから、リニューアルを実施。今年3月に再オープンしている。
店内には和倉温泉の加賀屋と同様、石川の伝統工芸品である輪島塗や九谷焼、加賀友禅、金箔、大樋焼などが至る所に配されている。また、玄関には田鶴浜の組子細工が配されるなど、まるで美術館のような趣ある空間となっている。
「石彫家の和泉正敏さんが手掛けた石壁や、金沢金箔、銀箔で上質な輝きが楽しめる空間など、目感でも楽しんでほしい」と同店。
▽加賀屋は石川県七尾市和倉町ヨ部80番地。TEL0767(62)1111。https://www.kagaya.co.jp/
お茶出し(イメージ)
加賀屋銀座店「金の間」