「安全・安心」
室内温泉、部屋食にこだわり
岐阜県下呂温泉の水明館は、新型コロナウイルスが感染拡大した今年は、館内の消毒や室内換気など、その防止対策に万全を期している。動画投稿サイトYouTubeで、その模様が確かめられる。
三つある棟のうち、自慢は高級感あふれる12階建ての「臨川閣(りんせんかく)」。近代的装いながら、内部は飛騨の銘木をふんだんに使用。陶芸家で人間国宝の加藤卓男氏がドアの取っ手部分を制作するなど、贅(ぜい)を尽くしている。
各部屋に置かれた温泉風呂には「高野槙(まき)」が使われている。大自然にいるような感覚を独り占めできる。
1階の能舞台「石橋(しゃっきょう)の間」は、樹齢200年の檜(ひのき)を使った静寂感に包まれた空間。一度は身を置いてみる価値がある。
食事は部屋食にこだわり、夕・朝食とも総料理長自慢の逸品が提供される。豪華に食事が楽しめるとともに、感染の心配もない。
臨川閣のゲスト以外の朝食バイキングは、料理を事前に盛り付けるなど工夫しており、こちらもコロナ対策は万全だ。
同館のプライベート空間は離れの「青嵐荘」にも。昭和28年に旅館として誕生した数奇屋造りの建物を、当時の間取りを生かして復元。客室は「葵(あおい)の間」「夕顔の間」など、源氏物語からその名を取った全5室。この客室のゲストのみが使える室内風呂や野天風呂を備えている。こちらも料理は部屋食で提供する。
同館のこれらのサービスは、「ウィズコロナ時代」の強みとなりそうだ。
健康志向のサービスにも力を入れる同館。「すいめいヘルスクラブ」では、運動療法や滞在型温泉ウォーキングで人々の健康づくりをサポートしている。
▽水明館は岐阜県下呂市幸田1268。TEL0576(25)2800。https://www.suimeikan.co.jp/
青嵐荘「葵の間」
臨川閣「石橋の間」