◎…栃木県日光市が6月24日、首都圏の旅行会社やメディアに観光情報を発信する拠点「日光市観光情報発信センター」(東京・内幸町)を設置したのに併せ、ただ一人の常駐者「PRパーソン」に就任した。新聞やテレビ、雑誌の旅行特集、報道記事を収集したり、メディア各社を回って記者や編集者に日光に関するヒアリング調査を行ったりするなど、就任直後から精力的に活動している。
◎…神奈川県内の短大を卒業後、フリーライターや民放の報道ディレクター、編集者などを経験してきた。日光との縁は20年近く前、当時勤めていた証券会社の社員旅行で一度訪れただけ。日光のイメージは「東照宮と江戸村、サル」しかなかったが、「PR業務に精通している一方で、日光について固定観念を持っていない人」をPRパーソンとして探していた同市の意向と「観光を取り入れた地域づくりに興味があった」との自身の思いが合致し、就任が決まった。
◎…今後、センター運営を委託している東武トップツアーズの店舗での首都圏在住者を対象としたアンケート調査も実施。これら各種調査結果を分析し、マーケティングの要素を取り入れることで、自治体が陥りやすかった「勘・思い・経験」に頼る観光施策からの脱却を図ることを目指す。
◎…同センターに類似する業務を行っている自治体は、都道府県がほとんどで市町村単独では珍しく、その成否に注目が集まっている。「全国の自治体のモデルになるような、先駆けになるような存在になりたい」と意欲を高めている。静岡県出身、38歳。
【聞き手・大城登志和】