【ちょっと よろしいですか 117】2023年度「観光温泉学」その2~学生が描く未来の温泉地と温泉宿~ 山崎まゆみ


 跡見学園女子大学「観光温泉学」(履修生221人)では、最終レポートに、若い女性の感性で温泉地・温泉宿の未来像について「自身が行きたい、運営してみたい」を切り口に800文字で書いてもらいます。

 まずその前提として、計15回の授業内容は、前半は温泉の成り立ち、歴史、泉質、分析表の読み方など、温泉の基礎知識を学びます。その後、観光産業での温泉活用法へと話は進み、ゲストスピーカーをお招きしました。 

 「持続可能な観光(そして温泉)」をテーマに京王電鉄の亀山秀一さん。東日本大震災、コロナまん延という厳しい時期でも「宿経営は楽しい」と働く魅力を伝える福島県土湯温泉「山水莊」の渡邉利生専務。ご自身のキャリアから女将の仕事内容までつまびらかにする群馬県伊香保温泉「ホテル松本楼」の松本由起女将。皆さま、大変貴重なお話をしてくださいました。他には、海外の温泉と比べた日本の温泉文化。また温泉地のインバウンド受け入れ状況やユニバーサルツーリズムをレクチャーし、温泉を多面的に捉えた授業です。

 こうした学びを得て、学生さん自身で未来を想像してもらうのが最終レポートです。

 全体的に、未来の温泉地や温泉宿にはバリアフリーを取り込もうとする傾向があり、「全ての人に温泉を」という人を思いやる優しい気持ちが垣間見えました。自身の祖父母や両親がハンディを負っているなどで、ターゲットが明確な学生さんほど、より具体的なアイデアが並んでいました。あるいは、「認知症の祖父がいるので、認知症の人や介護をしている人、その家族が過ごしやすい、全員が楽しめる旅館」という意見も何人かいて、認知症のお客さま受け入れのニーズを感じました。

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