1カ月間の「サマーナイト花火」
長野県の中央に位置する諏訪市は精密機械メーカーなどの集積地として知られる一方、信州最大の湖である諏訪湖に代表されるリゾート地としての顔も併せ持つ。その代表格は温泉で、諏訪湖畔にある「上諏訪温泉」は、豊富な湯量を誇る県を代表する温泉地となっている。
市内には数カ所の源泉があり、泉質は肌にやさしい弱アルカリ性。観光経済新聞社が主催する「にっぽんの温泉100選」の2023年の総合順位は第47位。数多くの温泉地を抱える県の中でも第4位につけている。
夏の上諏訪温泉といえば花火を思い浮かべる人も多いだろう。例年7月下旬から8月下旬の約1カ月間開催される「諏訪湖サマーナイト花火」。期間中は毎晩、午後8時30分から10分間、花火が上がる。
露天風呂花火
もう1カ所、諏訪湖と並び訪問したい景勝地として霧ヶ峰がある。1973年に県立の自然保護センター「長野県霧ヶ峰自然保護センター」がオープンし、館内では、そこでしか見られない動植物や地質、歴史などを実物や写真パネルで紹介。22年に全館リニューアルし、眺望が抜群のテラスを設けた。また、映像による紹介を新しくしたほか、展示もバージョンアップし、霧ヶ峰の魅力がさらに体感できる施設に生まれ変わった。
諏訪で今、ブームとなっているのがサイクリングだ。今年の4月、諏訪湖を1周(16キロメートル)できるサイクリングロードが全線開通。市では電動アシスト付き自転車(Eバイク)の貸し出しも行っており、「サイクリングロードは平坦で走りやすいが、Eバイクを使えば90分で走破できる」と諏訪観光協会。
「諏訪湖カヤック体験」は諏訪湖を満喫できるガイド付きの2時間ツアー。こぎ方はインストラクターが丁寧に指導するため初心者も安心して参加できる。併せて、サマーナイト花火が開催中、毎日行う「サマーナイトクルーズ」もお薦めの体験ツアーとなっている。
諏訪は日本酒の街でもある。市の甲州街道沿いには、「舞姫」「麗人」「本金」「横笛」「真澄」の五つの酒蔵がある。霧ヶ峰の伏流水で醸造した日本酒を楽しめるイベント「上諏訪街道まちあるき呑みあるき」は10月5日に開催される。
市には美術館が多いことも知られている。「諏訪市美術館」をはじめ、「諏訪市原田泰治美術館」や「北澤美術館」など、諏訪湖畔に多くのミュージアムが集結する。諏訪湖周の美術館や博物館に加え高島城など14施設が参加する「諏訪湖まちじゅう芸術祭」は今年も9月7~23日の17日間、開催される。