【インターネット徹底集客 258】予約のオンライン化の加速について アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢


 アフターコロナで起こる出来事を年始に予測したが、今号以降で、掘り下げていきたい。まず、第1に「予約のオンライン化の加速」が挙げられる。新型コロナの影響で、団体旅行やツアー旅行の催行が厳しいという背景があるものの、宿泊施設におけるWeb売り上げ比率が圧倒的に高まっている。また、いわゆるリアルエージェント各社もWebシフトを標榜(ひょうぼう)しており、店舗数の削減を計画していることからも、今後ますますWeb売り上げ比率は旅行業界において高まっていくであろう。

 予約のオンライン化が加速することは、すなわち個人のお客さまが増加することである。つまり、個人のお客さまに選ばれる宿にならなければならない。現在、宿泊業界において、特にコモディティ化が激しい宿泊特化型ホテルにおいて、ブランディング活動が盛んなことも本件と大いに関わっていると思われる。

 一つ興味深い事例の紹介である。私どもの支援先で、ほぼ同規模、同内容(商品や料金までほぼ同じ)の旅館を運営している会社なのだが、3月のWebの売り上げにおいて2倍近い開きがあった。片方の旅館はコロナ前から個人主体で運営していたのに対し、片方の旅館は老人会や宴会を中心とした団体を主体として運営していたのであるが、その結果が如実に出た形となった。

 話を戻すと、個人のお客さまに選ばれる宿になるということは、すなわちブランディング活動が大事になるということでもある。一般的にブランディング活動というと、高級路線を目指すと誤解されがちであるが、そうではない。定義付けが難しいところであるが、私たちは「らしさの表現」と位置付けている。その旅館らしさ、ホテルらしさを見つけ出し、それをWeb、館内のデザインやイメージ、スタッフのマインドにおいても、「らしさ」を浸透させていくことである。

 ブランディング活動がうまくいくと、例えばWebからも、「私たちの宿ってこういうところです」というのが伝わり、それに共感したお客さまが訪れて、お互いの満足度が上がるという好循環となる。このご時世でも繁盛している施設を見ると、やはりその活動がうまくいっているとWebを見ても一目で分かる。コロナ禍が続く大変な時期ではあるが、今後に向けて一度見つめ直してみてはいかがだろうか。

 (アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
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