緊急事態宣言のさらなる延長が視野に入ってきている。当初の予定通り、少なくとも6月いっぱいは厳しい状況となるので、改めて自施設の戦略を最終調整してほしい。
さて、そのような中で期待されているのが、地域観光事業支援(俗称ミニGo To)である。ミニGo Toが、どんな支援かというと、Go To再開までのつなぎ支援策のような位置づけである。その特徴は三つある。(1)県内発着の旅行を対象とすること(2)感染状況がステージ2以下の都道府県で対象となること(3)補助金額は1人1泊最大5千円、地域クーポン2千円であること―である。
しかしながら、現在この事業を実施できている都道府県は秋田県、山形県、山梨県、島根県、鳥取県など数えるほどしかなく、なかなか支援の輪が広がっていないのが実情である。そこで、4月30日に観光庁より「地域観光事業支援の対象期間の延長及び前売り宿泊・旅行券を活用した県民割への支援の明確化について」というリリースがなされた。概要は大きく分けて二つである。(1)5月31日までとされていた本事業の支援期間が12月31日宿泊分まで延長されたこと(ただし、8月31日までに予約、販売された旅行であること)(2)将来使用することのできる前売り券の販売についても補助対象とすること。
現状においては(2)の意味合いは大きい。ステージ2に至らず、旅行補助ができなくとも前売り券が販売できる形であれば、資金繰りの助けとなるからである。実際、このモデルでスタートしているのは長野県のみであるが、各事業者200枚限定販売という形ではあったが、順調な売れ行きを見せている。やはり、お得になる何かは人を動かす動機付けとなっている。
今後、全国展開も想定されるので、長野県のモデルは一つの参考ケースとしてチェックしておくことをお勧めする。前売り券に取り組む際は、今までの国や自治体が中心となり発行をしてくれて、待ちの営業スタイルでよかった点とは一線を画するので、しっかりと計画的に販売戦略を立てていきたい。
ワクチン接種が進む中で、もう少しの辛抱であるので、このようなさまざまな支援策を活用して何とかしのいでほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)