「全国旅行支援が終了する4月以降の予約状況が悪い」。このような嘆きを聞くことが多かったが、先日、国交省より全国旅行支援の予算が残っている場合は、4月以降も延長が可能である旨が発表された。かつ多くの都道府県で延長可能である見通しのようだ。こうなると、これまでの経験則で具体的な日程が決まると、4月以降の予約も動きだしてくるであろう。春休みや桜シーズンの需要、GWが含まれるか否かなど、新年度のスタートダッシュに絡む要素が多いので、早期の発表を望みたいところである。
一方で、全国旅行支援の動向と全く関係なく予約が動いているケースがある。インバウンドである。インバウンド需要が取り込めているエリアや施設は、非常に好調である。4月は既に満室となっているなど、全く異なる様相である。この動向を見ていると、今後、インバウンドを獲得できるか否かは、その地域の観光という側面においての重大なポイントになることは間違いない。
インバウンド概況を簡単におさらいすると、10月からの規制緩和を受けて、2023年1月の訪日外国人数は150万人と急速に回復中である。19年1月の268万人と比較すると6割程度の回復率ではあるものの、中国人ゲスト75万人がほぼ失われたままだとすると、8割の回復率となり、中国以外の国の戻りの良さが鮮明となる。今後も右肩上がりに増加することが見込まれており、ましてや中国人ゲストが戻った際には、一気に元通りになる可能性が高いという状況である。
話を元に戻すと、4月はエリアによってかなり鮮明に分かれている状況だということである。そしてGWであるが、今年の日並びとしては、やはり5月3~5日が好調である。次いで、4月29日(土)の動きが良い。4月30日~5月2日も平日を含むものの現状では堅調に推移している。注意が必要なのが5月6日(土)である。やはり大型連休の特性で、この日に帰って5月7日(日)はゆっくりとして5月8日(月)出勤という動きが現時点では見て取れる。現時点での春先からGWまでの動きを列挙したが、参考になれば幸いである。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)