今号では宿泊プランの整理整頓について述べたい。かつて宿泊プラン数は多ければ多いほどよいとされていたが、今は徐々にその傾向が見直されているように感じる。
理由としては、あまりにプラン数が多すぎるとお客さまがどのプランが自身にとって最適なのか理解できず、ストレスを感じ離脱してしまう点が挙げられる。
また、昨今では増加するプランにスタッフが対応できないという内部要因も挙げられる。宿泊業界が慢性的な人手不足に陥っており、フロントや電話受けする人も正社員、派遣社員、パート、時には外国人スタッフら多岐に渡っており、あまりにも多いプランは混乱を招く原因となってしまうのである。
Aプランには特典が五つ、Bプランには特典が三つ、Cプランは割引に+(プラス)特典は二つなど、電話受けでもフロントで実際に特典付与する場合でも、ミスが起こる原因となる。一つでも特典の付与を忘れると、お客さま満足度は下がる。
お客さま満足度を上げるための施策の一環であるにもかかわらず、これでは何のためにやっているのか分からなくなってしまう。
今後も、一朝一夕で人手不足の問題が解決される見通しはなく、新入社員、高齢化するスタッフ、外国人スタッフでも対応できるように、シンプルオペレーションにしようという動きは進んでいくと想定される。
かといって、何でもかんでも削ればよいというものではないところが難しい点である。まずはやはり、ABC分析などのプラン別の売り上げ分析が必要である。当然、売れていないプランが見直しの対象となるが、売れなくても大事なプランというカテゴリもあるので、その辺りは考慮が必要である。それぞれのプランがきちんと意味のあるものになっているかの精査が重要である。特典付与型のプランの場合にしても、その特典本当に必要か? という問いを自らに課して整理整頓していく必要がある。
今後の時代を見据えて、お客さまにも社内にも分かりやすい体系というのが大事になってくると思われるので、その一環としてプラン数の整理整頓を機会があれば実施してほしい。また、定期的に実施することをお勧めしたい。
(株式会社アビリティコンサルタント・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)