発熱の疑いがある人 0.5秒で検知
ソフトバンク100%子会社の日本コンピュータビジョン(JCV、東京都千代田区)は、新型コロナウイルス対策としてこの3月、AI高速温度検知システム「SenseThunder(センスサンダー)」を発売した。発売からまだ間もないが全国の病院や、関西国際空港などの公共施設などが採用。高機能が評価されている。「最近では、宿泊施設からの問い合わせが増えている」とJCV。
センスサンダーは、AI(人工知能)を活用した顔認識技術と赤外線カメラにより、対象者がマスクや眼鏡を着用したままでもわずか0.5秒で発熱の疑いがある人を検知する。対象と1.5メートル離れた場所からも検温可能なため、対象者と十分な距離を保てるといった特徴に加え、誤差はわずか0.3度の範囲。発熱者を検知した場合は、音声アラートと、ディスプレイに表示して知らせる。
一般的な非接触型検温装置に比べ、高精度を実現。カメラで捉えた人物画像における「額」の約11万カ所の温度点から一番高い温度点を検知し、そこからAIで体温を推定している。「市販の非接触体温計は無作為に捉えた1点で推定するため、正確な体温との乖離(かいり)が大きい恐れがある」という。
この3日には、福岡市にある宿泊特化型ホテル「ホテルフォルツァ博多駅筑紫口I」が導入し、フロントに設置された。チェックイン時、宿泊者と従業員のソーシャルディスタンスを保ちながら利用されている。「目に見えない安心感を可視化することができ、宿泊者に質の高いホスピタリティを提供できる」と採用を呼び掛けている。
センスサンダーによる体温検知
日本コンピュータビジョン株式会社(JCV)