出雲大社の神在祭(島根県出雲市)
出雲大社の正式名称は「いずものおおやしろ」。旧暦10月のことを出雲だけは「神在月(かみありづき)」と呼んでいる。これは神々が縁結びの会議をするために出雲に集まるからだ。この「神在祭・御忌祭(おいみさい)」の「お忌みさん」期間、土地の人々は粗相がないよう静粛に過ごす。
稲佐の浜から出雲大社の途中にある摂社「上宮(かみのみや)」は神在月だけ扉が開き、中では縁結びの会議「神議り(かむはかり)」が行われている。開かれた扉の向こうに目に見えない神聖な空気を感じる。
パンパンパンパンと神をたたえる意味がある作法「二礼四拍手一礼」で手を叩き、八百万の神にお会いできたことに感謝。あぁ、神在月に来られて良かった! この神々が「神議り」をしている「上の宮(仮宮)」と、神々が宿泊する十九社の「御宿社」は神在月のみ扉が開いている場所だ。もし神在月の出雲に来たのなら、この場所は必ず見逃さずに見ていってほしい。
次は遠くから見てもその大きさに圧倒され、「これぞ出雲大社」と実感する神楽殿の巨大なしめ縄へ。この日本最大級のしめ縄は長さ13メートル、太さ8メートルという大きさで、重さにいたっては5トンもある。締めかたが普通のものと逆になっているというのも特徴だ。
広い出雲大社の境内を巡ったあとは出雲教のお社「北島國造館」へ。ここには神在祭限定の御朱印がある。神々の先導役である龍蛇神の姿が入っているのだというのだから拝受したいものだ。
参拝のあとは神在月にふるまっていたという神在餅(じんざいもち)、「ぜんざい」をいただいていこう。これは出雲弁(ずーずー弁)だと訛って「ずんざい」と聞こえたため、ぜんざいという名前で京都に伝わったのだといわれている。ぜんざいで体の中から甘く素敵な縁を呼び寄せたい。素敵なご縁に恵まれますように。
(毎日「京都散歩の旅」なカメラマン・佐々木美佳)
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神議りの上宮、神の宿「十九社」の扉が開く