一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会が2018年から実施している国家検定、ホテル・マネジメント技能検定の第3回の検定結果が、1月30日に発表された。
コロナ禍にもかかわらず多くの専門学校生、現役ホテリエなどが受検した。今年度は、196名の3級ホテル・マネジメント技能士、11名の2級ホテル・マネジメント技能士、3回目にして待望の4人の1級ホテル・マネジメント技能士が誕生した。
ホテル・マネジメント技能検定は、宿泊業に働く人たちの職業能力開発を促進し、併せてその社会的地位の向上を目指すことを目的としたものである。
3級は係長職、2級は課長職、1級は部長職に必要なマネジメント能力を検定する。具体的には、各級に応じた(1)収益管理力(2)企画力(3)課題解決力(4)管理運営力(5)専門知識を審査する。そのために、学科と実技の2段階の試験が行われ、両方の試験に合格することにより技能士の資格を得ることができる。
学科試験は、各級に要求される知識の網羅性と正確性を問うものである。実技試験は、各級に応じたケース問題により上記(1)~(5)の能力を問うものである。1級、2級には、さらにロールプレイと称する口述試験によりプレゼンテーション能力も問われる。
ホテルにおいては、試験に合格すると受検料を補助したり、技能士取得者には、手当をつけるところも出ている。また、自己啓発、自己に対する投資として受検する人も増えている。
また、受検対策として過去問題集、テキストも発行されており、学習の条件も整ってきている。
このホテル・マネジメント技能検定により、毎年、宿泊業界のマネジメント人材が着実に増えてきている。技能士の資格を持った人たちが実務の場で力を発揮し、しかるべき責任と権限を与えられ活躍する姿も近いうちに見られることになるであろう。
(一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会検定試験管理本部長 大倉征俊)