千年に1度の震災や百年に1度のパンデミックはもういい加減にしてほしい。百年に1度で良いから宝くじに当たって資金繰りを解決したい。叫んでいる事業者の違いが今ほど表れるときはない。そして、これからはさらにその差が広がることになるだろう。コロナの影響で先が見えない今だからこそ綿密な計画に基づいた行動計画を立てて内部体制を整えて生き残ろう。
コロナ禍になる前でも、「あと3年早く相談していれば良かった」とよく言われた。
相談を受ける施設には共通する弱点がある。それは目標を達成するためのシナリオなしで結果だけを追いかけていること。
例えば、売り上げだけを追っていて、重要な三つの利益の原因を把握していない。固定費と変動費が分からないでPLを見て対策を練っている。部門長が昨日の売り上げがいくらだったかを知らない。お客さまの声を聴く仕組みを作らないから評価が上がらないし、常連客もできない。
寝ているうちに入って来るオンラインセールスに力を入れていない、利用客の過去データを蓄積していない、あっても生かしていない、料理のメニューや販売価格は調理場任せにしていてお客さまに近い人たちが関わっていない。売上原価の多くを占める料理原価の設定値がない。だから結果も把握もしていない、人件費コントロールと言いながら日々の労働時間を把握していない、消耗品は単価が低いからという理由で質や金額の見直しをしていない。燃料費や水光費が高いと言いながら基本料金や単価を知らない。
このような事例に当てはまったら今のうちに修正しよう。当てはまらなければもっと危機的かもしれない。以上、参考になれば幸いである。
予防注射を打った高齢者の感染者は目に見えて減っているのだから、もうしばらくすると国民のほとんどが打ち終わってコロナと共棲しながらお客さまが戻って来る。コロナ明けは近い。そのときには利益効率の高い体制でお客さまを迎えて、この2年間を取り返そう。
医療従事者の方々への感謝を込めて。
(一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会会員 帯川修)