【シニアマイスター経営の知恵 200】地震等発生被害発生後の救難対応の想定について NPOシニアマイスターネットワーク副理事長 満野順一郎


 今年は元旦の能登半島での大型地震をはじめ最近の四国西部地域での地震発生など国内各地で地震が発生している。わが国は太平洋やユーラシア等四つのプレートの上に乗っており、それらの動きにより各地で地震が発生するという地理的条件がある。台風や火山噴火等との複合災害になれば救難活動は非常に困難となろう。

 例えば、東京駅周辺での避難計画では、震災発生後すぐにはJR等鉄道は動けないとのことで1日以上を付近の大型ビルロビーや丸の内側地下スペース等にて待機するといった避難方策が発表されている。被害の発生予想ではより厳しい設定での訓練を実施する必要があろう。

 現在においても災害発生予定が冬季の昼ごろとされているようだが、もし真夏に震災等複合災害発生の場合では避難者をはじめ救難担当者の健康維持や避難場所等各施設について相当過酷な安全・衛生管理への設定が必要と考える。

 震災等被害の中、電力や各種エネルギーの供給・確保が難しい状況の下において、2次災害を防ぐためにも特に被災者や避難待機者への食糧等の提供ではその安全(衛生管理=腐敗対応)対策が最も重要である。

 また、上記にあげたような避難スペースでの温度や湿度等空調や換気管理、給排水、またトイレ等排せつ物処理など廃棄物管理への対応や全般的な衛生管理など、外気温度が高くなかった冬季・春先の阪神淡路震災や東日本大震災、本年の能登半島地震では経験できなかった状況が想定される。

 上記のような発災条件の下では病院における災害による負傷者や入院者への対応も難しいと思われる。まして、鉄道や道路による輸送の確保が不確実な状況では海と空からの救急支援が必要と考える。能登半島地震での海上自衛隊輸送艦等による救急支援の実際はあまり報道にはのっていなかったが、四方を海に囲まれ山岳地帯が中心のわが国においては海上からの救難支援や物資等の輸送は必要不可欠と考える。

 太平洋側での大震災等による被害予想は広域・大規模で現時点の想定よりも大きな影響が出ると考える。特に傷病者への対応は緊急であり、被害復旧までの時間的余裕はない。このような状況の下では大規模の医療施設・病室装備の大型ヘリ搭載型救急救難母船(艦)を準備する必要があろう。防衛医大の医師候補者の協力等もあればと考える。

 このような装備は国内のみならず海外での各種災害に対しても支援可能であり国際協力の一環にもなろう。

 (シニアマイスターネットワーク副理事長 満野順一郎)

 
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