【シニアマイスター経営の知恵 202】イマーシブ体験と旅行経験の接点 一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会会員・帝京大学経済学部観光経営学科准教授 花井友美


 最近「イマーシブ(没入)体験」を売りにするエンターテイメントが増えてきている。2024年で言えば、イマーシブテーマパークとして「イマーシブ・フォート東京」がお台場にオープンした。「イマーシブ・フォート東京」では、参加者はアクターと同じ空間に同居し、自ら行動することで、ストーリーに参加する(=ストーリーの世界に没入する)。他にも、映像や音楽の技術を活用し芸術作品の世界の中に没入するイマーシブミュージアム、舞台と客席の垣根を取り払い観客自身が登場人物として演出に巻き込まれるイマーシブシアターなども増えてきている。

 これらのイマーシブ体験型エンターテイメントにおいては、参加者は外からコンテンツを眺めるのではなく、コンテンツを織りなす一員として自身が非日常的な世界に没入し、さまざまな体験をする。そこで、参加者を非日常的な世界に没入させる仕掛けについて考えてみたい。一つ目が「本物らしさ」である。あたかもそこに世界が存在するようなリアリティを作り出す装置である。この装置は、物理的な設備やリアルな人のアクションであったり、それらを補完する映像・音響技術であることもある。二つ目が「参加性」である。参加者自身がその世界の1人の登場人物とし、その世界に影響力を及ぼす存在になりえるということである。もちろん、あえて最も近い傍観者として振る舞っても良い。

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