新入管法が今年の4月に施行され、海外からの働き手が新たにかなり増えます。現在外国人の方々263万人が既に日本で住み、146万の方が働いてこの10年で3倍だそうです。訪日外国人も2018年度3119万人を超え、今後さらに増えて外国人が珍しくない時代になりました。
私はホテル業に携わって40年余、この業界も外国人スタッフは以前から多く勤務されています。特にここ20年ぐらい、東南アジア諸国からも急速に増え、経営職や中間管理職、スタッフとして各部門で活躍されています。彼らから学ぶこと、逆に教えることさまざまですが、そのほとんどの経験は、会社を通じて仕事上のスキル、知識を中心に習得します。私自身も以前、海外での勤務時代、さまざまな体験と知識を会得する機会がありました。苦労も多くありましたが、その国の文化や生活習慣を知る、また逆に外から見える日本の姿や日本人自身を見直す良い期間ともなりました。今後も外国人労働者、留学生は、諸体験を通じ、業務スキルや言葉をマスターするでしょう。
一方で私の期待したいことは、日本文化や、生活習慣、歴史、古くからの伝統等を正しく理解していただき、日本の良さを本国で知らしめてほしいことです。
しかし、受け入れ側企業(ここでは、宿泊業等)の一部では、人手不足もあり、まだ外国人労働者への理解が薄く、単に低賃金の労働力として過酷な条件や待遇を強いている面も垣間見え、心の触れ合いまで行き着いていないこともあるようです。特別扱いではなく、再度企業側も待遇面、教育訓練や評価方法を見直し、もっと寄り添い、隣で働き、生活する外国の人たちに、日本の良き伝統、習慣等をより深く知っていただく気持ちも必要ではないでしょうか。お互いによく理解し合い、彼らができるだけ長く日本に住み、正しい情報、日本独自のものを理解し、世界に発信していただきたいと思います。
旅行者のマナーや国民性の違いによる間違いも話題になりますが、来訪者を単に批判するだけでなく、日本人一人一人がまず教えてあげる精神も重要です。表面上のおもてなしの掛け声だけでなく、仕事上はもちろん、普段の生活を通して、隣近所、街中、乗り合わせた電車の中でも国際交流を意識し、相手を思いやる良き友人、良きコーチ役になることを望みますし、自分自身もそうありたいと思います。
観光産業を通じて、また、身近な交流を通して大きく視野と和を広げよう!
(NPO・シニアマイスターネットワーク会員 AMWORKSパートナー、池田裕)