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小倉から日豊本線の普通列車に乗車して、20分ほど乗ると、朽網駅に停車します。2面2線のホームに橋上駅舎があるだけの郊外駅ですが、北九州空港への最寄駅で、連絡バスが走っています。
小さな駅なので、動線はシンプル。ホームからバス乗り場までは、5分もかかりません。エレベーターも完備されていますので、大きな荷物があってもストレスなく乗り継げます。朽網駅から空港までは、バスで20分ほどです。
ただ、空港バスは毎時2本程度で、時間帯によっては1時間も間隔が空きます。使いやすいとはいえません。小倉駅から空港までは直行のリムジンバスなら30分ほど。そのため、わざわざ列車とバスを乗り継いで空港へ向かう人は多くなさそうです。
その状況が、変わるかもしれません。JR九州が、特急「ソニック」の一部列車を朽網駅に停車させると決めたからです。4月1日から1日5往復が停車します。連絡バスも増発し、列車との接続を改善します。JRでは、「朽網駅特急ルート」としてPRしていくそうです。
朽網駅までの特急の所要時間は、小倉駅から約10分、博多駅から約1時間3分、大分駅から約1時間20分です。特急とバスを乗り継いで、北九州空港までの所要時間は、小倉駅から約36分、博多駅から約1時間30分、大分駅から約1時間50分になります。
小倉駅から空港へは、直行バスのほうが早いです。また、博多駅や大分駅には、それぞれ最寄りの空港がありますので、そもそも北九州空港の利用者は少ないでしょう。便利そうなのは黒崎駅や中津駅などからの利用に限られ、「朽網駅特急ルート」の利用者がどれだけいるかは、未知数です。それでも、鉄道の定時性の高さに期待する人は多いでしょう。
空港から少し離れた鉄道駅が、空港アクセスとして活用されている例としては、熊本空港に近い肥後大津駅があります。
熊本市内は渋滞が激しいこともあり、肥後大津ルートは評判がよく、ついには、同駅から空港まで、新たに鉄道が建設されることになりました。
福岡空港の容量は逼迫(ひっぱく)しており、北九州空港の存在感は、今後高まっていくでしょう。これをきっかけに、朽網駅が北九州空港への玄関口として定着し、ひいてはアクセス鉄道まで敷かれたりしないかと、期待してしまいます。
(旅行総合研究所タビリス代表)
(観光経済新聞1月27日号掲載コラム)