
東京から白馬へ公共交通で向かう場合、北陸新幹線で長野まで行き、特急バス「長野・白馬線」に乗り継ぐのが最速ルートです。東京駅から長野駅まで1時間半、長野駅から白馬まで1時間、乗り換え時間を含めて3時間程度でしょうか。
かつては、中央線特急「あずさ」を利用するのが一般的でした。しかし、長野五輪に合わせて長野新幹線と白馬長野有料道路が整備され、東京からは長野市を経由するルートが便利になりました。今でも「あずさ」が新宿・白馬間を直通運転していますが、1日1往復と少なく不便です。
早いもので、長野新幹線の開業から27年がたちます。白馬長野有料道路は供用30年に至り、この2月に無料化されました。道路無料化直後の2月下旬の平日に、東京から白馬八方に出かけてみました。
始発「かがやき」で長野駅に到着。乗り継いだ「長野・白馬線」の乗客は、ほとんどが外国人旅行者です。渋滞もなく長野市内を抜け、白馬長野有料道路へ。といっても、すでに料金所は閉鎖されていて、撤去作業の準備が行われている様子。白馬八方のバスターミナルには、定刻より5分ほど早く到着しました。
バスターミナルにいるのも、大半が外国人です。スノースポーツをする日本人が減っているなか、冬季の白馬の公共交通の主要客が外国人であることを、改めて実感します。
バスの運賃は3500円で、40キロあまりの距離にしては高額です。5年前は1800円だったのですが、段階的に値上げされてきました。インバウンドの増加を背景に、強気の価格設定にしているのでしょう。ただし、4月1日からは値下げされ、2900円になります。夏と冬で価格を変えているわけです。
白馬のバスターミナルには、東京・新宿行きの高速バスも発着しています。所要時間は約5時間で、新幹線より2時間ほど長くかかるものの、乗り換えの手間はありません。運賃は変動と固定がありますが、新宿まで5、6千円程度。「長野・白馬線」と比べ値ごろ感があります。
公共交通機関は、観光客だけでなく、地元民も使います。旅行者には利便性が高く、地元民には手ごろな選択肢が求められます。白馬では、新幹線利用の旅行者が多い「長野・白馬線」を冬季に高額設定にしているわけで、一つの考え方を示しているといえそうです。
(旅行総合研究所タビリス代表)
(観光経済新聞2025年3月31日号掲載コラム)