【テツ旅、バス旅 59】西日本どこまで4DAYS 鎌倉 淳


 JR西日本が「西日本どこまで4DAYS」というきっぷを2月20日から約1カ月間の期間限定で発売しています。同社の普通・快速列車が乗り放題で、別途料金を払えば在来線特急にも乗車可能。ただし、新幹線は一切利用できません。

 4日間有効で価格は9800円。1日あたり2450円です。「青春18きっぷ」の1日あたり2410円と、ほぼ同額。4日間連続使用が条件なので、青春18きっぷのように利用日を分けることはできませんが、別料金で特急に乗車可というのは、青春18きっぷにはない大きな長所です。

 たとえば大阪―金沢間の往復運賃(特急料金除く)は9680円。西日本どこまで4DAYSでほぼ元が取れます。大阪から特急「サンダーバード」で金沢を訪れて、ついでに七尾線を回ったりするならお得でしょう。山陰線を、京都から下関まで特急を使いながら乗り継いだりするのも楽しそう。地方都市を結ぶ「ローカル幹線」で鉄道旅行を楽しむのに適したきっぷといえます。

 最近のJR西日本では、「ラ・マル・ド・ボァ」や「エトセトラ」「あめつち」といった、グリーン車指定席の観光列車がローカル幹線で増えています。青春18きっぷではグリーン車指定席を利用できませんが、西日本どこでも4DAYSなら乗車できます。その特徴を生かして、観光列車を乗り歩く旅も面白そうです。

 最近は、ローカル線の存廃問題が注目されていますが、赤字額が大きいのは、1日数本しか走らないような過疎路線ではなく、特急が走るようなローカル幹線です。JR西日本としては、そうした路線を活性化する意図もあって、こうしたきっぷを設定したのかもしれません。

 ただ、4日間連続使用を条件とすると、西日本エリアではやや手狭で、四国や九州にも足を伸ばしたくなります。四国や九州には在来線特急や観光列車が多いので、これらを利用できる乗り放題きっぷがあれば人気が出るでしょう。

 今回は実験的な設定とみられますが、今後も発売が継続されるのであれば、JR四国やJR九州もエリアに含めたきっぷを期待したいところです。

 西日本どこまで4DAYSが、JR四国やJR九州と連携して「西日本・四国・九州パス」に発展していけば、もっと魅力的で、新たな需要を喚起できる商品になるのではないでしょうか。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
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