【テツ旅、バス旅 61】東急新横浜線 鎌倉 淳


 東急と相模鉄道(相鉄)の「新横浜線」が3月18日に開業しました。東急東横線・目黒線と相鉄線とを新横浜駅経由で結ぶ路線です。首都圏で久しぶりの大型新線とあって、メディアにも大きく取り上げられました。

 相鉄線と都内をつなぐ通勤路線ですが、旅行者としての注目点は、東急・相鉄両沿線から東海道新幹線へのアクセスが改善したことでしょう。東急側では、渋谷―新横浜間が最速25分、目黒―新横浜間が最速23分で結ばれました。東海道新幹線乗車時に、これまで品川駅を利用していた旅行者の一部が、新横浜駅利用に移るかもしれません。

 実際に渋谷から乗ってみると、新横浜まで驚くほど近く感じました。日吉からの新線区間は駅間距離が長く、地下線だというのにビュンビュン走ります。到着した新横浜駅はコンコースが広く、バリアフリーも完璧。東急・相鉄の地下ホームから新幹線ホームまではやや距離がありますが、動線に無駄がありません。東京駅や品川駅ほど混雑しないので、乗り換えのストレスは小さいでしょう。

 東急新横浜線は、東急東横線・目黒線に直通し、さらに東京メトロ副都心線・南北線、都営三田線、東武東上線、埼玉高速鉄道線にまで乗り入れます。

 これらの沿線から直通列車で新横浜駅に行けますから、沿線在住者が東海道新幹線を利用する際に選択肢に入りそうです。東京駅、品川駅利用に比べ、時間的、料金的なメリットはあまりなさそうですが、乗り換えがなく、駅の混雑が少ないのは、荷物が多い旅行者にとってメリットです。

 残念な点としては、日中時間帯、東急新横浜線は毎時6本あるのに、運転間隔が不均衡で、最大15分も列車が出ないことです。15分も待たされてしまうと、「東京・品川経由のほうがよい」と考える旅行者も出てきそうで、10分均等間隔にできなかったのか、と考えてしまいます。

 運転間隔が不均等になる理由は、東横線、目黒線のダイヤに合わせて、東横線に30分ごと、目黒線に15分ごとに乗り入れる形になっているからでしょう。できれば東横線にも15分サイクルで乗り入れて、日吉―新横浜間を毎時8本のダイヤにしてほしいところで、利用状況も踏まえた今後の課題といえます。

 旅行者としては、新横浜駅での接続を乗換案内で調べたうえで、東海道新幹線の列車予約をするとよさそうです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
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